【証人尋問|スタート|人定質問・宣誓書朗読・尋問の順序・待機場所】

1 証言スタート|人定質問
2 証言スタート|宣誓書朗読
3 証言中|着席
4 証言スタート|偽証or過料の制裁の警告
5 偽証・虚偽の陳述|ペナルティ
6 尋問の順番|待機
7 補足・注意|『証人尋問』という用語について

1 証言スタート|人定質問

証人尋問に関する,事前準備や法廷に行くまでの注意点は別に説明しています。
(別記事『証人尋問|事前準備』;リンクは末尾に表示)
本記事では証言が始まる段階での注意事項を説明します。
まずは最初に人定質問と宣誓書朗読が行われます。
順番に説明します。

<証言スタート|人定質問>

あ 人定質問|概要

証人尋問が始まると最初に『人定質問』があります。
裁判官が証人に,住所・氏名の確認をするのです。
実際には次のように簡略化されています。

い 人定質問|具体的状況

裁判官が,証人カードを見ながら次のように質問します。
『住所,氏名,職業,年齢は証人カードに記載したとおりですね?』
証人は『はい,間違いありません』と答えるだけです。

2 証言スタート|宣誓書朗読

人定質問の後に,すぐに『宣誓書朗読』が行われます。

<証言スタート|宣誓書朗読>

あ 宣誓書|朗読

裁判官が『宣誓書を朗読してください』と言います。
書記官が証人以外の法廷にいる人に向かって『起立してください』と言います。
証人は立ったまま宣誓書に書かれた文字を読み上げます。

い 宣誓書|文章

『宣誓 良心に従って真実を述べ,何事も隠さず,偽りを述べないことを誓います。』
※裁判所によって多少言葉が異なります。

3 証言中|着席

宣誓書朗読が終わると,着席することになります。

<証言中|着席>

最初の宣誓書を読み上げる時は立ったままです。
その後すぐに椅子に座ります。
着席しながら証言をします。

4 証言スタート|偽証or過料の制裁の警告

メインの証言が始まる直前にもう1つ,行われることがあります。

<証言スタート|偽証or過料の制裁の警告>

あ 原告・被告本人の場合

『虚偽の陳述』は過料の制裁の対象となります(後記)。
このことを裁判官が説明します。

い 原告・被告本人以外の場合

虚偽の証言は『偽証罪』の対象となります(後記)。
このことを裁判官が説明します。

5 偽証・虚偽の陳述|ペナルティ

前述の偽証や虚偽の陳述のペナルティの内容を紹介します。

<偽証・虚偽の陳述|ペナルティ>

あ 偽証

宣誓した証人が虚偽の陳述をした
法定刑=懲役3か月〜10年
※刑法169条

い 当事者の虚偽の陳述

民事訴訟で当事者が虚偽の陳述をした
法定された制裁=過料10万円以下
※民事訴訟法209条1項

実際にこれらのペナルティが課せられることはほとんどありません。
だからといって『嘘をついても良い』というわけではありません。

6 尋問の順番|待機

ようやく証言が始まることになります。
ここで『復数の証人』がいる場合は『退出』が求められることがあります。

<尋問の順番|待機>

あ 尋問の順番

同一の期日で復数の証人尋問を行うことは多いです。
『尋問の順番』は事前に決めることもその場で決めることもあります。
一般的には『原告サイド→被告サイド』ということが多いです。
『最初の証人』以外の証人は待機していることになります。

い 待機場所

待機する証人は『法廷の外で待つ』ように要求されることもあります。
原告・被告本人はこのように要求されることはありません。

7 補足・注意|『証人尋問』という用語について

<補足・注意|『証人尋問』という用語について>

訴訟における尋問には,『当事者尋問』と『証人尋問』があります。
ご依頼者については『当事者尋問』であることが多いです。
ただし,一般社会では『証人尋問』と呼称するのが通常です。
そこで,厳密な区別をせずに,用語を用いています。

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