【弁護士の提供する本質的価値・独自性|法解釈・適用・正確な理解の難しさ】
1 弁護士の提供するサービス・価値|本質=独自性
2 法解釈・適用の難しさ=記事をご覧になる時の注意
3 特殊事情の反映=弁護士の提供価値の1つ
4 『根本的なルール』×正確な理解の困難性
5 既存の解釈・事実認定の傾向×活用
1 弁護士の提供するサービス・価値|本質=独自性
弁護士が提供するサービス・価値の本質的な部分を説明します。
ご相談者・依頼者などの一般の方ではできない業務,という意味です。
まず最初に業務の種類をまとめます。
<弁護士の提供するサービス・価値|本質=独自性>
あ 事実認定における個別事情を元にした予想
事実認定の特有のルール(法則)を適切に用いて予想する
例;書面重視で口頭(供述)の価値が弱い,など
い 法律解釈の根本的なルールを前提とした予想
ア 『複合的』判断イ 原則と例外の判別 原則類型から多少ずれた事案への法律の適用・解釈
う 法律(法規)の趣旨の説明
『趣旨を使った解釈』も含む
お客様が『趣旨を理解する』ことは納得感・満足感につながる(※1)
例;非常に仲が悪い夫婦でも裁判所が離婚請求を棄却する理由
え 法律事務の代行
弁護士が業務を代行する
→お客様自身の時間・労力・精神的エナジー消費を抑制する
お 社会への情報発信
ア 一般的情報発信
弁護士は現行法規の適用の現場で多くの実例を日々体験している
=法規自体の特性・不合理性を実感する立場にある
→広く社会に情報を伝える
→社会生活・事業活動で『トラブル回避・有利な方策』につながる
→法整備への世論形成に役立つ
イ 個別的情報伝達
依頼者・顧問先に最適化された法律の活用を提案・推奨・アドバイスする
これは上記『あ・い』に分類される
<弁護士が提供する価値(上記※1)>
客観的な結論=有利・不利は最も重要である
一方で『安心感・納得感・満足感』も弁護士の提供する価値に含まれる
(別記事『提供するサービス・基本』;リンクは末尾に表示)
2 法解釈・適用の難しさ=記事をご覧になる時の注意
以上で法律サービスとして『法解釈・適用』についてまとめました。
これらは情報として文字・記事にすることが可能です。
実際にこのHPでも多く掲載しています。
しかし『正確な理解』は一定のハードルがあります。
一般の方が個別事情への適用を判断すると『誤った結果』につながるリスクもあります。
<法解釈・適用の難しさ=記事をご覧になる時の注意>
あ 一般的・原則的な事情(事案)
一般の方でも,情報を得れば正しい理解に達する
い 現実の事案
『特殊事情=応用』が含まれていることがほとんどである
→一般の方は法律適用・解釈の方向性が『ズレる』傾向が強い
=実務における適用・解釈と違う結論という意味
3 特殊事情の反映=弁護士の提供価値の1つ
以上のように法律解釈・適用は一般の方は間違えやすいところがあります。
逆に言えば『正確な理解・適用』は弁護士が提供する価値の1つです。
<特殊事情の反映=弁護士の提供価値の1つ>
あ 弁護士が特殊事情の反映をできる理由
『根本的な一般ルール・法則』の部分の情報(知識)の差
い 根本的一般ルール・法則|内容
ア 法解釈全般に共通する解釈の方向性イ 他の類似する法律解釈の『流用』ウ 事実認定における特性・特徴 ごく一般の感覚とは異なることもある
『根本的なルール』の理解・判断が難しい理由を次に説明します。
4 『根本的なルール』×正確な理解の困難性
法的解釈における『根本的ルール』の理解が難しい理由をまとめます。
<『根本的なルール』×正確な理解の困難性>
あ 理解は不可能ではない
『根本的なルール』も情報=形式知である
実際に当事務所HPの記事の説明中に含まれている
『情報習得による理解』は可能である
い 所要時間・労力が膨大である
『正確な理解』を実現するためには
→『広範囲を瞬時に検索できる』状態に達する程度の情報量が
→『根本的ルール』は広範囲であり『情報が非常に多い』
→習得するために要する時間・労力が非常に大きい
う 適正クオリティを維持する弁護士
弁護士が対象分野を中心に経験が充実している場合
→多くの経験=体系的な情報を持っている
→『検索性』が優れているレベルに達している
5 既存の解釈・事実認定の傾向×活用
法律解釈・適用では『既存の情報』が非常に重要です。
この点『既存の情報』を過剰に重視するのもまた弊害があります。
『既存の情報』の使い方に関してまとめます。
<既存の解釈・事実認定の傾向×活用>
あ 鵜呑み
既存の実務的解釈・事実認定を『鵜呑み』にする
→最適戦略ではない
い 法律構成・立証計画のベースにする
既存の考え方を『ベース』にする
どのような主張・立証が最も有利かを検討・熟慮する
既存の見解とは異なる内容の主張を行うことも候補に含めて考慮する
『新たな主張』のために『既存の見解』が役立つことも多い