【結婚宗教説|『結婚』という2文字に固執して幸せ獲得機会を喪失する信仰】
1 合理性と関係なく『結婚』に執着する結婚宗教
2 結婚に執着→幸福成就しない+少子化
3 『結婚』に固執して幸せ獲得機会喪失|結婚宗教・手段の目的化
4 結婚宗教の普及|97%以上のシェア
5 『カジュアルな結婚制度』=諸外国と違って手続が簡単
6 『手続が簡単』×『責任が重い』×『無知』の3要件が揃ってしまった
7 『カジュアルな結婚制度』〜Made in U.S.A.(GHQ)の憲法24条が地雷説〜
8 結婚宗教の『改宗』の兆し
1 合理性と関係なく『結婚』に執着する結婚宗教
結婚制度には不合理なところがあると指摘されています。
詳しくはこちら|結婚制度の不合理性(婚費地獄・結婚債権・貞操義務の不公平・夫婦同姓など)
不合理であるけれど,日本の現代社会では『結婚に執着する』傾向が非常に強いです。
本記事では『宗教的な結婚への固執』について説明します。
2 結婚に執着→幸福成就しない+少子化
結婚に固執することで,幸せが失われている,という指摘があります。
<恋愛市場における結婚制度の影響>
あ 経済力のある男性
過剰な負担があるため→結婚を避ける
い 一般的な女性
『結婚』できないなら『子供を作らない』『別れる』(※1)
↓
う 社会的現象
晩婚化・未婚化・少子化
3 『結婚』に固執して幸せ獲得機会喪失|結婚宗教・手段の目的化
恋愛市場のマッチングを妨害する,根本的な女性の思考回路を分析します。
<『結婚』に固執する傾向=結婚宗教(上記※1)>
『結婚』できないなら『子供を作らない』『子供を下ろす』『別れる』
『素敵なパートナー・出産』よりも『結婚』の2文字に憧れる
『女性は結婚に固執してパートナー・子供を持つ機会を失う』
出産した子供が『婚外子』になったらかわいそう
『婚外子』を産むのは世間体が良くない
ではなぜこのような考え方が普及しているのかを考えてみます。
<『結婚』に固執する理由>
あ 経済的に保護される→△
い 周り・世間の『家族』がみな結婚しているから→◎
前述のように『正妻』の保護は強烈です。
しかし,恋愛市場では一般的には『保護』の内容などしっかりと理解している人は少ないです。
離婚に直面して初めて学ぶ・知る,という方が大半です。
『結婚』に固執する理由は『周りがみんなそう』というだけです。
<カジュアル→皆婚スパイラル>
(少なくとも出産の時は)みな結婚届を出してしまう
↓
出さない(で出産する)ことが異常
↓
結婚届を出してしまう
↓
戻る
このように『皆婚執着』は,経済的・個人の幸福,といった合理的思考を超えた『社会的集団心理』なのです。
これは宗教のレベルに達しています。
そこで『結婚宗教』と呼ばれています。
<結婚制度×『手段の目的化』>
比較 | 手段 | 目的 |
本来の姿 | 結婚 | 幸せなパートナー・子供を持つ |
結婚宗教 | 結婚してくれる男性を探す | 結婚すること |
このような『手段の目的化』という現象という言い方もできます。
4 結婚宗教の普及|97%以上のシェア
結婚宗教のシェアは非常に大きいです。
競合の宗派『婚外子』のシェアがいかに小さいか,を紹介します。
<婚外子/嫡出子割合>
西暦 | 婚外子 | 嫡出子 |
1925年 | 7.26% | 92.76% |
1978年 | 0.77% | 99.23% |
2012年 | 2.23% | 97.77% |
戦前は『結婚した夫婦の子供=嫡出子(婚内子)』のシェアは93%未満でした。
その後,太平洋戦争を経て,最大で99%超えを達成しました。
逆に言えば『7%以上の婚外子シェアを1%未満に抑え込んだ』ということです。
『嫡出子シェア』は,現在に至るまでには徐々に落としていますが,まだ97%を超えています。
5 『カジュアルな結婚制度』=諸外国と違って手続が簡単
あまり意識しませんが,現在の日本の結婚システムは非常に『カジュアルな設定』なのです。
『婚姻届を役所に提出するだけ』というのは非常に『軽い』方法なのです。
諸外国では役所・裁判所や牧師と会って,審査や宣誓式その他セレモニーをしないと結婚できない,という制度が多いのです。
<外国の結婚制度あれこれ>
あ 米国の制度
役所でMarriage License
→牧師によるセレモニーや宣誓式→Marriage Certificate
い フランスの制度
(正式)結婚
市町村の庁舎で市町村長により挙式
※ユニオン・リーブルやパクスという,結婚を簡易化した制度もある
6 『手続が簡単』×『責任が重い』×『無知』の3要件が揃ってしまった
このような『結婚が面倒』な国では,面倒だから結婚を避ける,というメカニズムが働いているのです。
この点『正社員の規制を強くする→企業は正社員を避ける(非正規雇用が増える)』という最適化メカニズムと同様です。
しかし,結婚に関しては『最適化メカニズム』が一定条件で働かなくなります。
『手続が重い』と回避が発動しますが『責任が重い』では発動しにくいです。
理由は『当事者が契約に含まれる権利義務の内容・大きさを理解していない』ということです。
これが『通常の経済活動における取引』と『結婚債権の取引』での大きな違いです。
7 『カジュアルな結婚制度』〜Made in U.S.A.(GHQ)の憲法24条が地雷説〜
シェア拡大のポイントは太平洋戦争にあります。
日本のカジュアル結婚制度は,敗戦in1945に遡ります。
日本国憲法が,GHQの草案から作られました。
<カジュアル結婚システム;憲法24条1項>
婚姻は,両性の合意のみに基いて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない。
この人当たりの良い・心地良い舌のしらべと,背後にある強烈な保護のコントラストまではGHQの想定外だったのでしょう。
8 結婚宗教の『改宗』の兆し
信仰的な『結婚固執現象』ですが,少しずつですが,解消の方向性が見えます。
<結婚宗教の緩和方向〜『改宗』兆し〜>
あ 結婚しないと性交渉(妊娠→出産)をしない←’70年代
↓緩和
い 妊娠したら結婚すれば(出産をしても)良い←イマココ
↓緩和
う 結婚しなくても出産して良い;婚外子←n年後
本記事では,『結婚』に執着する考え方や文化について,結婚制度の不合理な点と比べつつ説明しました。
このような内容は,具体的なトラブルの解決とは直接関係するわけではありません。
しかし,実際の案件へのいろいろな法律の適用や解釈において,制度の背景にある事情の主張が影響することがあります。
当然,実際の裁判や交渉への小さな影響でも,当事者にとっては大きな結果の違いにつながります。
実際に結婚や,結婚をしていない男女交際に関する問題や悩みに直面されている方は,みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。
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