【離婚後の住民票の移動・公的届出手続・子供の転校】
1 住民票の移動は『戸籍』とは連動していない|転入届→転出届
2 住民票以外の公的『変更』手続|印鑑登録・社会保険・パスポート・公共料金など
3 子供の学校の転校|公立同士の転校手続
4 子供の学校の転校|私立学校の転校手続
5 子供の転校|DVの場合は水面下で行う
6 『無戸籍児』でも通学はできる|不合理な『嫡出推定』の弊害
1 住民票の移動は『戸籍』とは連動していない|転入届→転出届
離婚が成立すると,戸籍に反映されます。
しかし『住民票』とは別ですので反映されません。
転居する方は『住民票の移動』が必要です。
<住民票の移動の方法>
旧住所地の役所 | 『転出届』を提出する |
新たな居住地の市役所 | 『転入届』を提出する |
2 住民票以外の公的『変更』手続|印鑑登録・社会保険・パスポート・公共料金など
転居や苗字が変わった場合,いろいろな届出などの手続が必要となります。
<住民票以外の手続>
あ 印鑑登録の変更
旧登録の廃止→新住所で新たに登録する
い 国民年金・医療保険の手続
小中学校の子供が転校する場合の諸手続
う 運転免許証の住所地と苗字の変更
管轄警察署での手続
え 預貯金・クレジットカード・生命保険など
住所・苗字の変更届出など
お パスポートの記載の変更
か ライフライン関連
電気・ガス・水道・電話などの停止や変更手続
き 郵便物の転送届出
3 子供の学校の転校|公立同士の転校手続
住所が変わると,子供の学校の転校が必要となることがあります。
事務的な手続が必要です。
小中学校と高校で手続が異なります。
<公立の小中学校>
あ 学校の担任教師に伝える
《発行を受ける書類》
ア 在学証明書イ 教科書給与証明書
い 新住所地の役所での手続
ア 新しい住民票事項証明書を交付してもらうイ 役所の担当課で入学する学校の指定を受けるウ 『入学通知書』を交付してもらう
う 指定された学校に提出する
ア 在学証明書イ 教科書給与証明書ウ 入学通知書
<公立の高校>
『公立の小中学校』の書類に追加される
《追加書類|例》
ア 成績証明書イ 単位習得証明書
公立の学校に関しては都道府県により手続が異なります。
新住所地の教育委員会に問い合わせて確認してください。
4 子供の学校の転校|私立学校の転校手続
子供が私立の学校に通っている場合は,当然ですが,公立の場合とは異なります。
個別的な判断が多いですが,共通する事項をまとめておきます。
<私立の小中学校・高校>
編入を希望する学校へ直接手続を取る
私立中学高等学校協会に問い合わせる
<私立→公立学校への転校する場合>
あ 手続・問い合わせをする機関
学校の種類 | 管轄機関 |
小中学校 | 役場 |
高校 | 教育委員会 |
い 書類など
元の学校での『転校紹介書』などが必要になることがある
5 子供の転校|DVの場合は水面下で行う
DVのケースでは『逃げるように別居→離婚』ということがよく行われます。
この場合,住民票や医療保険で『居所がバレる』ことを回避する必要があります。
これに関しては別記事で詳しく説明しています。
詳しくはこちら|DVによる別居では生活保護,健康保険,住民票,子供の転校などで配慮される
6 『無戸籍児』でも通学はできる|不合理な『嫡出推定』の弊害
両親の事情によっては『出生届をしない方が良い』ということもあります。
この場合,戸籍に載せない段階では,いわゆる『無戸籍児』となります。
通学などの公的な手続との関係で問題となります。
この点,多くの手続は『無戸籍児』でも救済的に不利益がないように取り扱われています。
これについては別記事で詳しく説明しています。
詳しくはこちら|嫡出推定・誤作動|無戸籍児|基本|提出義務・罰則×正当な理由
詳しくはこちら|嫡出推定・誤作動|無戸籍児×公的制度|救済措置
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