【妻からの不当な解決金の要求を撤回させることに成功した】
1 事案の分類
2 事案の内容
3 当事務所による解決
4 依頼前後の状況変化
5 解決のポイント
1 事案の分類
離婚請求 | 求めた |
離婚原因 | 性格の不一致 |
依頼者の性別 | 男性(40代) |
子供の有無 | なし |
依頼者の職業 | 公務員 |
相手の職業 | パート・アルバイト |
争点(対立した内容) | 慰謝料・(財産分与)預貯金 |
解決手続 | 調停 |
依頼時期 | 婚姻7年・別居半年以内 |
2 事案の内容
夫婦の仲が悪くなり,夫婦は別居することになりました。
夫は妻に離婚することを切り出しました。
妻は『将来の生活が心配だから500万円払わないと離婚に応じない』といいました。
夫は自身で離婚調停を申し立てました。
調停は進みましたが,妻の要求は変わらず,また,調停委員も『離婚したいなら妻の要求に応じてはどうか』というだけでした。
夫は,不倫や暴力があったわけでもないので法外な要求だと思って納得できませんでした。
3 当事務所による解決
当事務所は,夫からの依頼を受任しました。
受任後の最初の調停期日に,調停委員から協議の状況を聴取しました。
すると,妻の主張は『夫名義の預貯金の財産分与』であることが分かりました。
そこで,次の調停期日において,当事務所の弁護士は,夫名義の預貯金の大部分は夫が独身の時に貯蓄したものである資料を提出しました。
調停委員は当方の主張に同感し,妻に対してこの内容を説明・説得してくれたようです。
その結果,財産分与は50万円という前提で離婚する調停が成立しました。
4 依頼前後の状況変化
依頼前 | 解決金として500万円を請求されていた |
依頼後 | 財産分与50万円で離婚できた |
5 解決のポイント
調停委員は中立の立場で当事者から事情を聴取して,解決の提案や推奨をしてくれます。
しかし,しっかりと理論的な主張をしないと,不合理な内容を推奨してしまうことがあるのです。
本ケースでは,調停の途中から弁護士が介入し,合理的な方向へ修正できたといえます。
特に,預貯金のうち,結婚前(独身の時)に蓄えたものは財産分与から除外されるのです。
詳しくはこちら|預貯金は代表的な財産分与の対象であるが例外もある
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