【別居が6年に達していたので調停・訴訟で早期に離婚できた】
1 事案の分類
2 事案の内容
3 当事務所による解決
4 依頼前後の状況変化
5 解決のポイント
1 事案の分類
離婚請求 | 求めた |
離婚原因 | 性格の不一致 |
依頼者の性別 | 女性(30代) |
子供の有無 | なし |
依頼者の職業 | 会社員 |
相手の職業 | パート・アルバイト |
争点(対立した内容) | 慰謝料 |
解決手続 | 訴訟 |
依頼時期 | 婚姻11年・別居6年 |
2 事案の内容
夫婦が別居に至ってから6年が経過していました。
夫は,すでに交際している女性がいて,結婚したいと考えていました。
しかし,妻は離婚に関する話し合いにすら応じないという状態でした。
夫は交際相手やその後出産する可能性もあったので,改めて離婚をして戸籍上すっきりしたいと思っていました。
3 当事務所による解決
当事務所は夫から依頼を受任しました。
当事務所の弁護士が妻との交渉を開始しました。
妻は『とにかく離婚には応じない・どうしても離婚したいなら慰謝料500万円が条件だ』という強い態度でした。
当方は離婚調停を申し立てました。
調停でも妻側は同様の主張を維持したため調停は不成立で終わりました。
当方は離婚訴訟を申し立てました。
妻の代理人弁護士は『離婚原因はないので離婚できない』と主張していました。
当事務所の弁護士は『長期間の別居』という事実は離婚原因になると主張しました。
この主張に沿う裁判例を多く提出しました。
調停申立後約4か月で,相手方は『離婚拒否』を断念しました。
慰謝料の支払なしで離婚する内容で和解が成立しました。
4 依頼前後の状況変化
依頼前 | 慰謝料500万円を払わないと離婚しないと主張されていた |
依頼後 | 慰謝料ゼロで離婚できた |
5 解決のポイント
単に仲が悪い(性格の不一致)というだけでは法律上の離婚原因にはなりません。
しかしその結果,別居が長期化していると,『もう仲直りするような状態ではない』と考えられるので離婚原因となります。
本ケースでは,当方からの多くの裁判例の提出で,裁判官や相手(妻)の代理人弁護士も同じ考えを持つことになったので,比較的早く相手が譲歩したのだと思います。
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