【限定承認|財産管理者・義務の程度|公告・催告|催告の対象者】

1 限定承認×財産管理|管理者
2 限定承認×財産管理|義務の程度
3 相続債権者・受遺者に対する公告・催告|概要
4 相続債権者・受遺者に対する公告・催告|手続の遂行
5 限定承認|催告の対象者|範囲

1 限定承認×財産管理|管理者

限定承認の手続の中盤にあたる段階を説明します。
手続が始まった後『相続財産の管理』が問題になります。

<限定承認×財産管理|管理者>

あ 相続人が1人の場合

その相続人が管理義務者となる

い 共同相続の場合

家裁が相続人の中から選任する
※民法926条2項,936条1項,2項

2 限定承認×財産管理|義務の程度

限定承認の手続における財産管理の『義務の程度』が定められています。

<限定承認×財産管理|義務の程度>

あ 管理義務の程度

『固有財産におけるのと同一の注意』により相続財産を管理する

い 相続人/選任された管理者の違い

相続人・家裁に選任された管理者のいずれも同じ
=管理者前任前/後で違いはない
※民法926条1項

3 相続債権者・受遺者に対する公告・催告|概要

限定承認の手続では相続債権者・受遺者が『弁済』に参加します。
その前提として『知らせる』プロセスがあります。

<相続債権者・受遺者に対する公告・催告|概要>

あ 公告

官報により『公告』を行う

い 催告

把握している相続債権者・受遺者に対して個別的に『催告』を行う

う 公告・催告の内容

ア 限定承認をしたことイ 一定の期間内にその請求の申出をすべきこと

え 申出期間の設定

2か月以上
※民法927条

4 相続債権者・受遺者に対する公告・催告|手続の遂行

限定承認における公告・催告の具体的な内容についてのルールをまとめます。

<相続債権者・受遺者に対する公告・催告|手続の遂行>

あ 公告・催告を行う者

限定承認をした相続人

い 公告・催告の期限

ア 原則 限定承認後5日以内
イ 管理者選任の場合 選任後10日以内
※民法927条,936条3項

5 限定承認|催告の対象者|範囲

限定承認における『催告』の対象者の範囲についてまとめます。

<限定承認|催告の対象者|範囲>

あ 相続債権者・受遺者

必要である
※民法927条

い 相続財産に関する他の権利者

影響の生じない者への催告
→不要である
例;地上権・賃借権・地役権の権利者
※大判昭和13年10月12日

弁護士法人 みずほ中央法律事務所 弁護士・司法書士 三平聡史

2021年10月発売 / 収録時間:各巻60分

相続や離婚でもめる原因となる隠し財産の調査手法を紹介。調査する財産と入手経路を一覧表にまとめ、網羅解説。「ここに財産があるはず」という閃き、調査嘱託採用までのハードルの乗り越え方は、経験豊富な講師だから話せるノウハウです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE
【限定承認|共同相続×法定承認|家裁への申述・審判|相続財産目録】
【限定承認における弁済の優先順位と売却の方法(競売と任意売却)】

関連記事

無料相談予約 受付中

0120-96-1040

受付時間 平日9:00 - 20:00