【特別縁故者|判例|審判例・実例】
1 特別縁故者|判例|甥の妻・従兄弟→認めた
2 特別縁故者|判例|従兄弟→300万円を認めた
3 特別縁故者|判例|内縁者→遺言偽造により否定
4 特別縁故者|判例|否定
1 特別縁故者|判例|甥の妻・従兄弟→認めた
本記事では,特別縁故者の審判・抗告の実例を紹介します。
<特別縁故者|判例|甥の妻・従兄弟→認めた>
あ 事案
内容は公表されていない
故人の甥の妻・従兄弟が財産分与を申し立てた
い 相続財産
預金1億4259万円
う 裁判所の判断
次の限度で分与を認めた
当事者 | 金額 | 相続財産に占める割合 |
甥の妻 | 500万円 | 3.5% |
従兄弟 | 2500万円 | 17.5% |
え 抗告→棄却
抗告は棄却され,この内容が確定した
※東京家裁平成24年4月20日
2 特別縁故者|判例|従兄弟→300万円を認めた
<特別縁故者|判例|従兄弟→300万円を認めた>
あ 申立人
従兄弟A
い 事案
故人Bの建物の修理の手配を行っていた
Bの安否確認を行っていた
Bの近隣との連絡を行っていた
Bの遺体発見に立ち会った
遺体を引き取った
Bの葬儀を執り行った
う 相続財産
総額約3億7875万円
え 裁判所の判断
特別の縁故を認める
しかし縁故の程度が濃密なものではなかった
→300万円の限度で分与を認めた
相続財産に占める割合=0.79%
※東京高裁平成26年5月21日
Aが行った実際の作業・業務の対価を算定したものと思われます。
相続財産の一定割合,という考慮はあまりなかったと言えましょう。
3 特別縁故者|判例|内縁者→遺言偽造により否定
以下,特別縁故者として認められなかった実例を紹介します。
<特別縁故者|判例|内縁者→遺言偽造により否定>
あ 申立人
内縁の妻A
い 事案
Aは故人Bの遺言を偽造した
偽造内容=全財産をAに遺贈する
つまり,相続財産の奪取を企てた
→既に遺言を無効と判断する判決が確定した
う 裁判所の判断
財産を分与することは相当ではない
→分与を認めなかった
※東京高裁平成25年4月8日
4 特別縁故者|判例|否定
<特別縁故者|判例|否定>
あ 申立人
従兄弟の養子A
い 事案
内容は公表されていない
う 裁判所の判断
故人Bの生前におけるAとの関係は特別のものとは言えない
→特別縁故者として認めなかった
※東京高裁平成26年1月15日
2021年10月発売 / 収録時間:各巻60分
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